「相続手続きが終わったはずなのに、実家の整理中に古い通帳が出てきた」
「亡くなった親の古い通帳が出てきたのだけど、今からでも相続手続はできるのか?」
このような疑問のある方から、当事務所へご相談をいただくことも珍しくありません。
結論としては、たとえ数年経っていても、銀行預金は正当な相続財産として引き継ぐことが可能です。ただし、相続税の申告や手続きのやり直しが必要なケースもあります。
今回は横浜市で相続手続をサポートしている行政書士の目線から、相続から数年後に見つけた銀行預金(古い通帳)はどうすればいいのか紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
相続から数年後でも預金口座は相続できる
結論としては、相続から数年後でも預金口座は相続できます。
時間が経過していても預金は自動的に消失することはありません。
銀行口座が10年以上取引のないままだと、休眠預金として扱われ、資金が預金保険機構に移管される場合があります。この場合も、口座が消滅するわけではありません。
休眠預金が相続財産であると証明できれば、預金保険機構へ本人確認や相続関係書類を提出することで払い戻し請求が可能です。銀行の窓口を通じて申請できることが多いため、通帳が見つかった金融機関にまずは相談してみてください。
古い通帳が見つかったときにすべきこと
相続から数年経ってから古い通帳が見つかったら、その通帳が実際に有効な預金口座かどうかを確認しましょう。
以下の点を金融機関に照会するのが第一歩です。
- 口座は現在も有効か(解約されていないか)
- 残高はいくらあるか(記載と現在の金額が異なることも)
- 最終取引日(休眠口座に該当するか)
なお、この時点で、口座名義人が亡くなっていることを銀行に伝えると、その口座は凍結状態になり、以降は相続手続きを経ないと資金の出し入れはできなくなります。
関連記事:口座凍結のタイミングはいつ?相続発生後の死亡届と銀行凍結の関係について行政書士が解説!

古い銀行口座の相続手続
銀行口座の相続には、一般的に以下の書類が必要です
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書
遺言書または遺産分割協議書
相続人の本人確認書類(運転免許証など)
銀行所定の相続届
銀行によって提出形式が異なるため、事前に問い合わせて必要書類を確認しておきましょう。
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書類提出後、審査が行われます。口座凍結解除(相続手続)までの期間は2〜3週間を見込んでおきましょう。
審査が無事に完了すれば、被相続人の口座を解約して預金の払い戻しを受けるか、被相続人の口座を名義変更して引き継ぐかして、相続手続は完了です。
なお、実際に銀行での相続手続に至るまでの流れは、次のようなパターンによって異なります。
- 遺言書で「その他一切の財産」の取得者が定められている場合
- 遺産分割協議書に「後日判明した財産」の取得者が定められている場合
- 遺言書・遺産分割協議書に見つかった口座についての定めがない場合
- 財産隠しや想定外の高額口座であった場合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
遺言書で「その他一切の財産」の取得者が定められている場合
古い口座が見つかったとき、まず確認したいのが「遺言書があるかどうか」です。遺言書のなかに、その口座の行き先を示す定めがあれば、話は比較的シンプルに進みます。
また、遺言書の中に、その口座そのものは明記されていないとしても、「その他一切の財産は〇〇に相続させる」といった包括的な定め方がされている場合も、その指定されている方が相続する形で手続を進められます。
遺産分割協議書に「後日判明した財産」の取得者が定められている場合
遺言書がなく、遺産分割協議で財産を分けた場合は、その内容を確認しましょう。
そして協議書のなかに、その口座そのものは明記されていないとしても、「本協議書に記載のない財産、または後日判明した財産は〇〇が取得する」といった包括的な定めがあれば、その指定された相続人が取得する財産として手続を進められます。
この場合、あらためて相続人全員で協議をやり直したり、全員の署名・押印を集めたりする必要は基本的にありません。
関連記事:遺産分割協議書に記載がない財産を発見したら?後日判明した遺産の扱い・手続を行政書士が解説!

遺言書・遺産分割協議書に見つかった口座についての定めがない場合
遺言書・遺産分割協議書はあるものの、見つかった古い口座について何も定めがない場合は、これまでの2つとは進め方が変わります。具体的には、次のようなケースです。
- 遺言書から「古い口座」の指定が漏れている
- 協議書に記載された財産についてだけ合意していて、それ以外の財産に関する取り決めが一切ない
- 「本協議書に記載のない財産については、相続人全員で別途協議する」などと書かれている
いずれも、見つかった口座を「誰が取得するか」がまだ決まっていない状態です。そのため、あらためて相続人全員で「誰が取得するか」を話し合う必要があります。前妻の子など、疎遠な相続人を含めた全員で協議しなければならない点は、最初の遺産分割協議と同じです。
なお、この場合、新たに見つかった財産は「相続人全員の共有状態(準共有)」となるため、一部の相続人が勝手に引き出したり、解約手続を進めたりすることはできません。
ただし、すでに済んでいる遺産分割協議のすべてをやり直す必要はないため安心してください。
財産隠しや想定外の高額口座であった場合
ここまで見てきたとおり、後から古い口座が見つかっても、多くの場合は「その口座について改めて協議する」ことで対応できます。
しかし、次のようなケースは事情が異なるため注意してください。
- 一部の相続人が口座の存在を知っていながら、わざと隠していた
- 見つかった口座があまりに高額で、「その財産があるとわかっていたら、あの分け方には合意しなかった」と主張する相続人がいる場合
こうしたケースでは、当初の遺産分割協議そのものの有効性が問われることになります。「詐欺」「錯誤」による取消しを主張する相続人も出てくるかもしれません。
ただし、これは「口座が一つ見つかったから、当然に協議をやり直せる」という話ではありません。財産隠しや想定外の高額財産が疑われるケースは、当事者だけで判断するのが難しい領域であるため、早めに専門家へ相談しましょう。
まだ相続人同士で争いにはなっておらず、事実関係の整理や書類の準備を進めたい段階であれば、行政書士に相談するのが手軽でしょう。万が一争いに発展してしまったら、その行政書士から相続に強い弁護士を紹介してもらうこともできます。
もちろん、横浜市の長岡行政書士事務所へご相談いただいた場合も、状況に応じて対処してまいりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください
相続手続のお悩みは
横浜市の長岡行政書士事務所
対応エリア:横浜市・神奈川県全域・東京23区
平日9:00~21:00(土日祝日予約制)
関連記事:遺産分割協議はやり直せる?解除の条件や期限、注意点を行政書士が解説!

古い銀行口座が見つかると相続税申告の修正が必要な可能性がある
さて、相続税は、相続の開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納税するのが原則です。
しかし古い銀行口座が見つかった場合、つまり当初の申告後に新たな遺産が発見された場合には、すでに申告済みであっても、修正申告や更正の請求が必要になる場合があります。
修正申告や更正の請求が必要かどうか判断するためには、まず見つかった銀行口座をあわせた相続財産の総額がいくらになるのか確認しましょう。
相続税には基礎控除があります。
基礎控除額:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
発見された預金を含めても基礎控除の範囲内であれば、相続税の修正申告は不要です。
自己の申告していた税額が少ない場合には、5年以内に修正申告をしなければなりません。
長岡行政書士事務所では税理士事務所と提携しておりますので、ご相談いただいた場合には相続税に精通した税理士をご紹介いたします。
相続から数年経過して銀行預金(古い通帳)を見つけたときは行政書士に相談!
相続から数年経過して銀行預金(古い通帳)を見つけたものの、次のケースに該当する場合には、ぜひ行政書士に相談してみてください。
- 見つかった古い口座について、遺言書や遺産分割協議書にどう書かれているか、自分ではよく分からない
- 遺言書にも遺産分割協議書にも、その口座についての定めがなく、あらためて必要な書類(追加の遺産分割協議書など)を整えたい
- 古い口座の解約・払い戻しに必要な戸籍や書類の収集を、まとめて任せたい
- 口座が見つかったものの、何から手をつければよいかわからず、まず全体の進め方を整理したい
相続から数年後に見つかった銀行口座でも、法的には相続の対象になります。重要なのは、「時間が経っているからもう請求できない」と自己判断しないことです。
しっかりと相続財産を引き継ぐためにも、まずは長岡行政書士事務所へご相談ください。初回相談は無料で対応しています。



